実は怒らせてる?不動産屋から嫌われる買主の特徴5つとその訳

売主・買主の板挟みになる不動産仲介業者。こんな買主はお断りしたい…

不動産会社はお客さん(買主さん)のことをどう見ているのでしょうか。

不動産屋さんの営業担当者も人間です。お客さんといえど、やはり好き嫌いはあるものです。

まず、取引関係者を整理しましょう。以下の図の通り、買主側の不動産屋さんである「客付仲介業者」と売主側の不動産屋である「元付仲介業者」が間に入ってお互いに交渉します。

基本的に売主とのやり取りは、買主が依頼した客付業者を通して行います。あなたに代わって交渉をしてくれるのが、不動産屋さんです。

ですので、本来、買主と客付業者はお互いパートナーとして、一致団結して売主側との条件交渉にあたるのが理想的です。

そのためにも、まずはよい関係を築きたいですね。間違っても、嫌われる買主にはならないようにすることが良い取引を行うための大前提です。

「買主はお客様だ」という態度は、不動産屋に通用しても売主にはNG

さらに不動産「仲介」業者は、立場上、売主と買主の間に挟まって交渉や調整を行います。仲介業者は板挟みになっているといえます。

そうなると、客付業者は買主さんだけでなく、元付業者や売主さんのことも考えた上でうまく立ち振る舞う必要が出てきます。

不動産取引は、買主と不動産屋さんとの間で終わる話ではないという、当たり前のことを理解しておきましょう。

ですので、「俺はお客様だ。買ってやる」という意識を持っていると、まとまる話もまとまりません。

仮に、その態度が不動産屋には通用する話であっても(客付仲介業者にとっては“お客様”でも)、他方には売主という別の“お客様”を元付業者が抱えています。

いわば「お客様」同士、仲介業者を通じてにらみ合っている状況ですね。だからこそ、(不動産屋さんの先には)お客様という同じ立場の相手方がいるという意識をもって誠実な対応を心がけたいものです。

「この買主は契約までこぎつけない(契約を壊す人だ)」と判断されては物件を買えませんからね。。

ここでは「こういう買主はお断りしたいな…」と不動産屋さんから嫌われる買主の特徴や言動をみていきましょう。あなたも意外とやりがちかも…?!

①「どれだけ安くなるの?」買う気も根拠もなく物件価格の値下げを要求

家は大きな金額が動く取引です。できるだけ安く買いたいものです。

ただ、まだ本当に買うかどうかは分からないのに、とりあえず「この物件、どれだけ安くなるか聞いてみて」と要求するお客さんは嫌われます。

たまに「販売図面に載っている金額では絶対に買いたくない」という方もいます。もともと、相場より安く出ている物件であっても、値下げ自体が目的になっているのですね。

買主側の不動産屋さんは、物件金額を決めたわけでもなければ、価格交渉の相手でもありません。

少しでも安く買いたい気持ちは分かりますが、まずは不動産会社としっかり話し合ってみてくださいね。

誤解してほしくありませんが、決して値下げ交渉が悪いわけではありません。

ただ、成功する値下げ交渉にはルールや“お作法”があります。例えば具体的な根拠(理由)もつけるべきです。聞くのはタダだからという態度は売主を怒らせるだけです。

成功率を高める方法は以下の記事を参考にしてください。

家を買う時の値引き交渉はどうする?成功率を高める6つの手順

2018-01-12

売主を怒らせ、業者間の信用問題に発展する可能性も。指値交渉は慎重に

独りよがりな交渉をする買主は、客付仲介業者(買主側の不動産屋)のみならず、実は元付仲介業者・売主みんなから嫌われます。

理由はいくつかあります。

まず、具体的な値下げ幅を提示せず「できるだけ安くしろ」という要求は売主側にかなり失礼にあたります。

それから元付仲介業者は、売主(お客さん)に対して、具体的な根拠もなく値下げて欲しいという話を持って行きづらいものです。

しかも、買うかどうかも分からない状況で気軽に聞いてくる場合には元付仲介業者の方で「そういう根拠のない値下げは難しい」と、売主まで話を上げずに断ることもあります。

もし売主が「その値段でいいよ」と言っても、「実は買わないみたいです…なんとなく聞いてみただけみたいです…」となれば、「値引きを呑んだのに失礼だな!」となってしまいます。

しかも客付仲介業者は、元付業者から「もう少しお客さんに相場や取引のやり方を教えてください。こういうことが続くならもうおたくとは取引しない!」と、会社の信用にも傷が付きます。

不動産取引は多くの関係者が関わっていることを忘れず、慎重な指値(値下げ)交渉をお勧めします。

②「良い物件あったら教えて」曖昧な希望条件では優良物件を紹介し難い

「良い物件があったら教えてください」、こういう言葉は不動産屋さんの中ではよく聞くフレーズです。

ただ、この言葉も使い方を気を付けないと、買主にとってもったいない結果になっている場合があります。

不動産屋からすれば、条件の良い誰もがうらやむ物件はすぐに売れるため「一番購入意欲が強いお客さん」に紹介したいと思うものです。購入が確実な人から連絡します。

そうすると、漠然とした曖昧な希望条件だけしか伝えられていないお客さんは「この方は買わないかもしれないな…」と思われ、チャンスを逃してしまう可能性があります。

また、「良い物件」というのは、人によっても違います。他の人には微妙でも、あなたにとっては素晴らしい物件かもしれません。

ですので、「良い物件ありませんか?」と聞く前に、自分の希望条件をできるだけ詳細に伝えておきましょう。

ただ、あまりにも条件が多すぎるとそもそも物件が存在しなくなります。また、条件がごちゃごちゃになって買う決断が付きません。

ですので、絶対に譲れない「絶対条件」と、あったらいいな(最悪、譲歩できる)という「できれば条件」に分けておくと尚良いです。そうすることで、紹介してくれる物件の数も増えるでしょう。

自分のことを具体的に伝えるほど「掘出し物件」にも出会いやすい?

不動産会社は、契約に結び付きやすいお客さん(買主)から優先的に物件を紹介する傾向にあります。

特に、売主が売り急いでるために、相場よりかなり安く出ている物件などはスピードが命ともいえるくらい早く決まる物件もあります。

不動産会社にとって、そういう掘出し物件は確実に成約させたいものです。

普段から希望条件を詳しく伝え、さらに個人の属性(年収や勤務先など)を具体的に伝えれば伝えるほど、「このお客様の求めるドンピシャの物件だ。住宅ローンも問題ないな」と紹介されやすくなります。

信頼できる不動産屋さんには、積極的に自分のことを伝えておきましょう。

紹介物件の嫌な点も伝える。「他にない?」だけの収集マニアは嫌われる

物件の紹介を受ければ、気に入らなかったとしても「どこが気に入らなかったのか?」を伝えると、物件紹介の質があがります。

「この買主さんはこういう点を嫌がるんだな」と分かれば、買主の希望条件の理解がより深まるからです。

別に嫌な点でなくても構いません。感想を伝えることで、「ちゃんと考えてくれてるんだな」と営業マンも気合が入ります。

よくないのは、紹介物件に対するコメントもなく、「他にもありませんか?」「もっとありませんか?」と要求するだけの買主です。

不動産屋さんから「物件収集マニア」とみなされ、「買う気はないんだな…。物件を眺めて楽しんでるだけだな…」と思われてしまうと物件紹介の熱が下がってしまいます。

客付仲介業者との付き合い方で、“良い物件”と巡り合う可能性が高くも低くもなるのですね。

「それ言うてたやん!」内覧マニアも嫌われる

物件は無数にあります。あれもこれも…と気になる気持ちは分かります。

ただ、「3階建ては嫌だなあ」という条件が決まっていたのにもかかわらず、「設備や間取りが綺麗だからちょっと見てみたいな♪」と物件案内をお願いされることもあります。

もちろん、百聞は一見に如かずですからそれはそれで構いません。

ただ、あれもこれもと何物件も内覧するのは考えものです。内覧するにも、一つ一つ元付業者とスケジュール調整が必要で手間がかかります。

で、内覧したあと「間取り素敵だけど、やっぱり3階建てだから嫌だね~」といわれたら、不動産営業マンはガックリきます。「それ言うてたやん!初めから分かってたやん!」とツッコミたくなるものです。

たくさん内覧することはいいことですが、自分の中である程度条件を決めることを先にしておきたいですね。

不動産屋のためだけでなく、お客さんのためでもあります。

最悪の場合、「内覧してテンション上がって買ったけど、やっぱり3階建て嫌だ…」と後の祭りになることも防げますからね。

③「借金のことは黙っておこう」住宅ローン審査で嘘はバレるので正直に

住宅ローンの審査をする時には、年収や勤務先などの属性情報を聞かれます。

不動産会社を通じてローン申し込みをする場合には、不動産屋の担当者に個人情報を色々と伝えなくてはいけません。

その時に、「そういや借金してるけど、正直に伝えると審査通りづらくなるよなあ…」と考えて嘘の申告をする人もたまにいます。これは不動産会社にとても嫌われます。

というのも、その嘘はほぼ確実に後からバレるからです。信頼関係が崩れてしまいます。

銀行の審査の過程で、どこにいくら借りているか、返済状況はどうか、といった個人信用情報(個信)をチェックするからです。

KSCやCIC、JICCなどといわれる信用情報を登録する会社があり、金融機関はこれを照会することができます。返済が滞っているかどうかも直ぐに分かります。

年収などから大まかな予算を調べて、物件紹介を受け、内覧もして…といろいろ動いた後、ローンの(事前)審査をして「借金があるからこの予算はダメ」と分かったらすべて水の泡です。

配偶者に隠れて作った借金など、言いづらいものもあるでしょう。

でも、こっそりでいいから本当のことを伝えましょう。不動産会社もなんとか頑張ってくれるはずです。

なにより、ローンも通って物件も買った後に虚偽報告の事実が判明したら、最悪の場合「一括返済」を銀行から迫られる危険もあります。言いたくない気持ちは分かりますが…正直が一番です。

④質問が多すぎ・細か過ぎ。売主が契約後のトラブルを恐れ買えなくなる

マイホーム購入は大きな金額が動く取引、慎重になりますね。

ただ、限度を超えた確認はやはり不動産会社に嫌われます。不動産会社というより、売主に警戒されてしまいます。

確認することは悪いことではありません。気になることはチェックすべきです。

ただ、内覧すれば分かることやあまりにも専門的なことまで事細かく質問票を送ってくるのはやめた方がいいでしょう。

まずは現地に行って(内覧して)確認しましょう。そして、家の劣化具合や構造に不安がある場合には、建築士などの専門家にインスペクション(建物状況調査)や耐震診断などを行えば分かります。

「俺はお客様なんだから、知りたいことをぜんぶ答えろ」という姿勢ではうまくいきません。買主も一緒になって、調べたいですね。

特に中古住宅であれば、売主も個人のお客様であることが少なくありません。専門的なことは分からないことも多いものです。

売主が考えるのは、「こんなにうるさく言ってくる買主は、買った後に不具合が見つかった!と細かいことまでクレームを入れてくるんじゃないか…」と不安になります。

購入後のトラブルが怖いので「この買主候補者さんはお断りします…」と売主から言われてしまうリスクがあります。

そうなると気に入った物件であっても買えなくなります。相手があることを忘れないようにしたいですね。

⑤契約直前で「仲介手数料を安く」は最も嫌われる。契約が壊れる危険も

仲介業者の唯一といってもいい収入は「仲介手数料」です。この手数料を安くしてほしいという気持ちは分かります。

ただ、不動産屋さんが物件紹介、内覧の手配、各種調査・検証、売主側との交渉・調整などを行い、残るは契約だけだけというタイミングで「手数料を安くして欲しい」というのは最も嫌われます。

実務的には、不動産屋さんに訪問して内覧し、話が具体的になった段階など、取引の早い段階で手数料について不動産会社から説明があるものです。

それで納得をして話を進めていたのに、最後の最後になって「手数料を安くしないと契約しません」というのは当然、不動産会社は気分のいいものではありません。

元付仲介業者が客付仲介業者と仲がいい場合などには、業者間の関係を優先し、売主側から「客付仲介業者さんに正規の手数料をお支払いいただけないと契約できません」と言われるケースもあります。

最悪、契約自体が壊れてしまう可能性があるということです。

交渉するなら初めの段階で。契約直前なら具体的な理由も伝えよう

できれば、初めに手数料の説明を受けた段階で交渉しておきましょう。そうすることで不要なトラブルを避けられます。

また、家の初期費用などを具体的に出してどうしても金銭的に厳しいなどのケースで、契約直前で相談したいということもあります。

その場合には、その理由を具体的に伝えておくと印象も大きく変わるものです。

本来、仲介業者は、買主と対立すべきものではなく一緒になって検討し、売主側とも交渉するパートナー的な関係にあります。

不動産会社への配慮を忘れず、良好な関係を壊すようなことはできるだけ避けたいですね。

尚、仲介手数料は、その上限が法律で定められており、ざっくりいえば物件金額の3%です。3,000万円の売買が行われれば、100万円程度ですね。

手数料が高いかどうかという話は以下の記事を参考にしてください。

仲介手数料が高いのは中身が広告費だから?損しない住宅購入法

2018-01-14

まずは不動産屋が信頼されることが先!好かれる買主になって良い取引を

ここまで、不動産屋さんが「避けたいな…」と思う買主の特徴を挙げてみました。

一方で、不動産会社が好きな買主はこれらの逆、つまり、以下のようなお客さんといえます。

不動産会社に好かれる買主の特徴

  • 値下げ交渉するのは、具体的な理由があり購入意思を本格的に固めてから。売主の気持ちにも配慮する
  • 具体的に希望条件を伝えてくれる。物件紹介を受ければ悪い点も含め教えてくれる
  • 借金などセンシティブなことも正直に話してくれる。予想外の理由で住宅ローンの審査に落ちることはない
  • 「俺は客だ!」という意識を捨て、買主自身でも積極的に物件のことを知ろうとする
  • ほぼすべての仲介業務が終わりかけの時に手数料を値切ることをしない。仲介業者と信頼関係を築く

一言でいえば、好かれる買主は「不動産屋とざっくばらんに話をしてくれ、取引関係者にも配慮してくれる人」といえるかもしれませんね。

ただ、これらはすべて不動産会社側の都合のいい論理ともいえます。

マイホームを買うというのは不動産業界に身を置かない人にとって、そうそう頻繁に接するものではありません。しかも、不動産取引というのは分かりにくいというのが一般のお客さんの印象ではないかと思います。

しかも、契約を迫る押し売りとかしつこい電話営業など「怖い」「怪しい」という印象もあります。

まずは不動産屋さんがお客さんに信頼してもらえるように振る舞い、丁寧な説明をして不安を取り除くことから始めないといけませんね。

それを踏まえた上で、買主としては不動産業者に接するときに、思わぬところで損をしないように注意してくださいね。

好かれるお客さんになることで、不動産屋さんもいい情報を積極的に教えてくれたり、売主側と粘り強く交渉してくれたりと得になることもあります。よい取引ができることを祈ってます!


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2 件のコメント

  • 嫌われたって良いんじゃないですか?
    本当に物件を購入したいと思ってるお客さんからすれば人生で最初で最後かもしれない、まして初めての高額取引に相当なストレスが掛かると思います。

    それを『嫌われる客』としてしまうのはどうかと思います。
    むしろそういう不安を感じるお客さんの心理当然で、経験のある不動産業者が誠実な対応をするのが然るべき対応と思います。

  • 宮田さんの言う通りだ。素人だから不安になる。専門家である不動産屋が誠実に対応すべき

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